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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

プチクラスキッズクラス・ジュニアクラス中高生クラス・おとなクラスぱお展 2020.09.29

絵に額縁をつけること

1年の成果を展示という形で発表するアトリエぱお最大のイベント「アトリエぱおの仲間たち」展

こどもクラスは着々と準備を始めています。展覧会への準備についてはまたの機会にご紹介するとして、今回は絵を飾る「額装」について、アトリエ代表の加藤の想いをご紹介します。

少し長いですが、ぜひお読みください。

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お子さまの作品の額装について、初めて展覧会に参加する方から「子どもの絵に額縁をつけるのはもったいない……」「額縁をつけるほど立派な物じゃないから……」という声が時折上がります。
その理由の一つは「謙遜」でしょう。でも、謙遜はお子さん本人の目の前でしてはいけません。なぜなら肉親の口から「自分のことを否定する言葉」が他人に向かって発せられる現場に居合わせることになるからです。同じようなことは、どなたも経験があるのではないでしょうか。気を付けたいものです。
もう一つの理由は「額縁に対しての過大評価」(=額縁は特別立派なものを入れる器という思い込み)と、「お子さんの作品に対しての過小評価」(=子どもの作品は成長過程で未完成なので価値が低い)ではないでしょうか。
子どもたちの作品は、常に成長し続ける彼らが、その過程のある瞬間に生み出した、今しか表せない純粋な表現です。1枚の絵を描く実に短い時間の中でも、子供たちは発見・成長を繰り返し、時に爆発的な成長を遂げます。私たちはアトリエで子どもたちと接する中、そんな瞬間に幾度となく立ち会ってきました。写真やビデオ等、工学的危機による記録とは違い、記録に残しにくい内面…心のうちや感覚の成長の瞬間を一枚の絵はそのエピソードとともに、永遠に残してくれるのです。
少し前のこと、アトリエ創設当初の子どもクラス会員Nさんのお母様と再会し、当時のお話をする機会がありました。すでにママになったNさんの当時の絵のことを「筆使いもつたない幼い絵には、あのころの思い出がいっぱいつまってるの」と感慨深げに語るお母さん。幾度も引っ越した今でも、玄関先にはその作品群が飾られているそうです。
そんな大切な一枚も、スケッチブックに挟んだままでは、折れたり擦れたり、机や棚の上で埃をかぶってしまい、いつか省みられることもなくゴミにされてしまいかねません。……巨匠の絵ですら時折納屋等で発見されたりしますよね。
対して、額装を施せば半永久に保護・保管されます。そして何より大切なのは、額装を通じて作品とその作者である子どものことを「親が認め励ます」ことができる、ということなのです。
額縁に入った自作を眺める子供たちの、嬉しそうな顔を想像してみてください。展覧会で様々な人に見てもらうときの、嬉しいような恥ずかしいようなドキドキした気持ちを……。
展覧会を終えて家に帰ってきた作品は、もちろん居間や客間・玄関など人目に付く場所にかざり家族での会話や来客の度に話題にしましょう。「謙遜」なんてもってのほか、べた褒めしたらいいんです。「親ばか」扱いされたって構うもんですか、だれが何と言おうとあなたのとても大切なお子さんの作品なんですから……
たっぷりのお褒めの言葉をいただいて、子供たちはきっと「頑張って良かった」「また次も頑張ってみよう」と、表現し・想像し・工夫・努力することにより積極的になっていくことでしょう。作品の額装は効果抜群の「教育投資」でもあり、親の「愛情の表現」のひとつの形でもあるのです。

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いかがでしたか?

絵にとって額縁はとても大事なものです。どんな小さな作品でも、他の人から見たら拙く見える作品でも、いえだからこそ、額縁に入れてしっかり飾ってあげて下さいね。額装についてのご相談はいつでも承ります。