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イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

やすこ先生の、子育てのヒント 2022.04.25

「新しいスケッチブック」 やすこ先生の、子育てのヒント

アトリエぱおに入会されるこども達には、

最初に「ぱおバッグ」をお渡ししています。

白くてちょっと大きめのバッグの中に、

新品のスケッチブックが入っています。

こどもにとって開いてみるのはとっても楽しみ。

自分専用のこのスケッチブック、

白いページだけではなく色の着いたページもあります。

これから毎回のレッスンで余すところなく

子どもの手によって描かれていくのを待っています。

 

まっさらな白い紙に

最初に描き始めるときの緊張感は

大人になっても 変わらない気持ちですね。

鉛筆を握って「さぁ始めよう」というときの

こども達の顔、ご覧になってみてください。

みんな 目をしっかり開き、

うまくいくかな、という不安をどこかに追いやって、

息をのんで「よしっ」という声を心の中でつぶやいてる。

そんな姿を応援したくなります。

 

4月のプチクラスでは

『ながい線をかこう』というプログラムをやっています。

みんな鉛筆を力いっぱい握って、

思い切って線を描く子、ゆっくり慎重に進める子、

わき目も降らず、とはこのことですね。

そして、肩の力を抜いて、いま描いた線をみつめている。

一本の線にこどもの息遣いが聞こえてきそうです。

 

そばで見ていると、最後までまっすぐかけるかな、

あらら斜めになってきたよ、大丈夫?と、

消しゴムを手に取ってしまうのは、ちょっと待って。

こどもはまだ視野が狭くて、全体を見渡しながら

描くことは未熟なのでしたね。

斜めになっても それを消したいかどうかは

本人に決めてもらいましょう。

創造活動とは、「きれいにできた」ことも大切ですが、

スタートのタイミングも、選ぶ色も、描き方も

自分で決めてやっていくところに醍醐味があるのですよ。

この描き始めるときの気持ち、

ワクワク、ドキドキの連続を

ぱおのレッスンで何度も体験して、

世界に一つだけの作品を生み出していくのです。

一冊のスケッチブックを使い終わる頃には

大切な成長記録のようになっていくのでしょうね。

 

畠山泰子