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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

プチクラスキッズクラス・ジュニアクラス会員さんへのお知らせ 2022.09.07

「絵を額縁に入れるということ」

こんにちは。こどもクラス主任講師の浅原です。
今日は、こどもの絵を額縁に入れることについてお話しさせていただきます。

特に今年はじめて展覧方に参加する方に読んでいただきたくて書きました。

私も息子(現在21歳)と娘(現在17歳)がぱおっ子でしたので、ぱおの先生としてだけでなく、ぱおっ子の親としての視点も入っております。

 

アトリエぱおの展覧会では、平面作品(絵)は額装して展示します。
これは、絵をより美しく見せるためであり、作品の保護のためでもあります。

壁に画鋲で貼った絵は破れたり色あせたりしますが、額縁に入れた作品は安全に長く飾ってもらえます。
展覧会場の白い壁、高い天井、きれいなライトに照らされて飾られた作品は、まるで自分の絵、我が子の絵と思えないほど見栄えがします。

作品は展覧会が終わったら、各ご自宅で飾っていただくようになります。

1年間、お家のある場所の壁を飾り、1年後には新作が新たに加わります。


プロの作家の絵と違い、「こどもの絵を額装する」ということは「今のお子様の成長の姿」を記録して残す、という意味があります。
同じ子どもの作品でも、3歳なら3歳の絵、10歳なら10歳の絵が残ります。
「こどもの日」の歌に出てくる、柱に残った背丈を記録した疵たちのようなものです。

あっという間に背が伸びていくように、絵もどんどん上手になっていきます。
当たり前のことですが、3歳の絵は3歳の時にしか描けませんし、10歳の絵は10歳のときにしか描けません。
毎年、新しい絵を額装することにより、1年ずつの成長の記録が残っていくのです。

毎年新作を隣に飾っていくと、1枚ごとに成長しているのがよくわかるはずです。


写真が残すのは外側の成長の記録です。

絵が残すのは、こんなことができるようになった、こんなことを考えられるようになった、という内面の成長の記録です。

 

そして、額装した絵はその時ももちろん素敵ですが、今よりも5年後、10年後にはもっともっと大切なものになります。
子どもクラスの若いパパママたちにはまだイメージしにくいと思いますが、10年後のお子様の姿を想像してみてください。
プチクラスの子なら中学生くらいでしょうか。

キッズクラスなら高校生か大学生。ジュニアクラスですと、もう働いているかもしれませんし、日本ではなく外国に住んでいる子もきっといることでしょう。


今のような可愛い姿とは違って、大人のような姿ですし、悲しいことに反抗期というものや親離れというものもやってきます(経験者は語るですw)

もちろん自分だって10年分の歳を重ねています。
その頃から振り返ってみると、まだ幼かった頃のたどたどしい線や色の絵がどう見えるでしょうか?

もう戻ることはないお子様の幼い頃の宝物のような記録ではないでしょうか?

見るたびにあの頃の記憶が蘇ります。
時間は遡れないので、そのような絵はもう描くことはできません。

そんな今の姿を残すことができるのが、絵を額装するということです。

 

私も息子と娘がぱおに通っていましたので、毎年秋になると新作が更新されるのがとても楽しみでした。

それぞれが自分の進路を見つけて、秋に新作が更新されなくなった年にとても寂しく感じ、毎年新作が更新されていくということがどれだけ幸せなことだったのかと、思ったことを覚えています。
展覧会という場がなければ、子どもの絵を額装しようと思うでしょうか?

私も思いませんでした。こういう機会があるからこそだと思います。


「こどもの絵に額なんて」と思われる方もいらっしゃると思いますが、「子どもの絵だからこそ額装すべき」だと思います。
はじめて展覧会に参加される方は、数年後におうちの壁一面に飾られたお子様の作品たちもぜひ想像してみてください。

こどもクラス主任 浅原裕貴