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アトリエぱおとはBlog

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ピアノクラス 2015.06.24

ピアノレッスン日記 合唱伴奏編その2

こんにちは ピアノクラスの溝尻です。
ピアノクラスの生徒は中学や高校で伴奏を任されることが多く、レッスンでよくとりあげます。
Kさんが練習しているのは、合唱曲「信じる」 (谷川俊太郎・作詩 松下耕・作曲)
中学校や高等学校で広く歌われているこの曲はわたしの好きな曲の一つ。
ピアノの出だしのメロディがとても美しい。 そして、谷川俊太郎の詩。

歌の伴奏なので、歌詞をよく味わい歌詞を大切に弾くようにと指導します。
だからレッスンの始まりは歌詞の勉強から。
生徒と詩を読み、思ったことを話し合います。
平和ってなんだろうね? なんでイジメがあるんかね? 戦争はどうしてなくならないのかね? 

友達のこと、学校の試験のこと、いろんな話がでてきます。
世界に目を向けると、世界中にはいろんな困難に直面している子がたくさんいて、働かなくてはいけないので学校に行けなかったり、紛争地域で命の危険にさらされていたり、子ども兵士にさせられたり、厳しい状況下で生きている子がたくさんいることへと話が広がります。

この曲を歌うみんながメロディの美しさを味わい、そして「信じること」について考えてほしいと願います。

引用が長くなりますが、谷川俊太郎の詩と、彼がある絵本の後書きに寄せた文章を以下に。
* * *

「信じる」 谷川俊太郎

笑うときには大口あけて
おこるときには本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を私は信じる
信じることに理由はいらない

地雷をふんで足をなくした
子どもの写真目をそらさずに
黙って涙を流したあなた
そんなあなたを私は信じる
信じることでよみがえるいのち

葉末の露がきらめく朝に
何をみつめる子鹿のひとみ
すべてのものが日々新しい
そんな世界を私は信じる
信じることは生きるみなもと
* * *

これは2004年の作詩。
同年に出版された絵本「おにいちゃん、死んじゃった-イラクのこどもたちとせんそう」という書名の、イラクの子どもたちが描いた絵に谷川の詩をつける形で出版された絵本の後書きに、谷川俊太郎は以下のように書いています。

【抜粋】
「理由もなく、戦争するのはいいことだ、どんどん戦争をしようと考えているひとはいないと思う。でも、正しい理由があれば戦争をしてもいいと考えているひとは多い。相手をやっつけなければ、こっちがやっつけられてしまうから、したくないけど戦争をしているというわけだ。ぼくら人間はおおむかしからそうやって戦争をしてきた。戦争はいやだ、戦争はしたくないと思いながら。

どうしてだろう? それは人のこころの中に、平和がないからだとぼくは思う。平和をじぶんの外につくるものだと考えると、平和をめざして戦争をするということにもなる。じぶんのこころを平和にするのはむずかしい。でも、まず始めにこう考えてみてはどうだろう? 戦争はじぶんのこころのなかから始まると。戦争をひとのせいにしないで、じぶんのせいだと考えてみる。

ひとをにくんだり、さべつしたり、むりに言うことをきかせようとしたり、じぶんのこころに戦争につながる気持ちがないかどうか。じぶんの気持ちと戦争はかんけいないと考えるかもしれないが、それでは戦争はなくならない。

まずじぶんのこころのなかで戦争をなくすこと、ぼくはそこから始めたいと思う。」